流行り言葉にしてはいけないデジタル業界3つのワード
Twitter JAPAN 味澤 将宏 氏

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2018-05-23 BY うえの みづき

ad:tech tokyo2018のアドバイザリーボードメンバーは総勢35名。業界のリーダーであるメンバーのみなさんからのデジタル広告、マーケティング業界への問題提起を事務局が連載形式でインタビューします(特集一覧はこちら)。

今回登場のTwitter Japan株式会社上級執行役員広告事業本部長兼日本・東アジア事業開発本部長 味澤将宏氏はad:tech初期からのボードメンバー。ブランドセーフティやアドフラウドの問題を「流行り言葉に終わらせない」と語る味澤氏にその真意を伺いました。


—この連載ではボードメンバーの皆さんに「課題感」をキーワードにお話を伺っています。今、味澤さんが「これは課題だ」と感じていらっしゃることを、業界、貴社内問わず教えてください。

まず一つ目は人材の確保が課題だと思っています。これは自社だけでなく、業界全体としての課題ですね。デジタル広告全体の業績が伸びているなか、人材が足りていない。存在している人材の数に対して、獲得したいと思っている企業の数が多くて、人材マーケットの競争が激化しています。

—確かに人材不足のお話は多くのボードメンバーの方が口にしていらっしゃいますね。では、デジタル広告業界が求めている人材とはどのようなスキルを持っている人材でしょうか。

テクノロジーのことをわかっていること、マーケティングが分かっていること、あとは英語ができることです。Twitter Japanの社内では英語を使うことが多く、資料やツールは英語、その上日本人以外のメンバーもいるので確かに英語ができると有利です。英語ができないと、日本から海外へ羽ばたくハードルも上がりますしね。でも、英語は後からでもつけやすい能力なので、業界全体としてまず育成しなければいけないのは「デジタル知識」と「マーケティング知識」の両立人材だと思います。その時点でまず少ないことが現状です。

—英語は後からでも大丈夫、とは心強いです。人材確保以外に気になっている話題などはありますか。

これもまた課題の話ですが、SNSの個人情報活用の問題と海賊版コンテンツが直近の話題ではないでしょうか。昨今の不適切な個人情報利用の問題はヨーロッパでは個人情報保護の法律が新しく改正(GDPR)、施行される動きにまで繋がっています。弊社も先日ポリシーの変更を発表しました。

海賊版コンテンツについては「漫画村」がNHKのクローズアップ現代で取り上げられるほどの社会問題になりました。これは、コンテンツの権利についての話だと思われがちですが、サイト上に大手ブランドの広告が掲載されてしまっていたとか、実際には表示されなかった広告もインプレッションとしてカウントして運営者が商売していただとか、ブランドセーフティやアドフラウドの問題が絡んでいます。ブランドセーフティ(※1)、アドフラウド(※2)、ビューアビリティ(※3)の議論をもっと真面目にしなければいけないでしょう。今はなんとなく「流行り言葉」みたいになってしまっています。ブランド企業、広告会社、パブリッシャー、三者でしっかりと話していかないと、健全な発展が妨げられると思います。不健全だと投資されなくなってしまいますから。デジタル広告の重要性がここまで高まってきてテクノロジーも進んでいるのに、健全性の方向になかなか足並みが揃わないのが歯がゆいですね。業界団体側も、JIAA、日本アドバタイザーズ協会どちらも動き出してきたのでad:tech tokyoでももっとオープンに話していきたいと思います。

—そうですね。今年のad:tech tokyoでも活発な議論が行われるようにしたいです。

私はad:tech tokyo初期から関わっていますが、イベント自体も雰囲気も変わってきましたね。当初は「テクノロジー」の話が中心でまさに「アドテック」でしたが、今はだいぶブランドの話も増えました。当時はマーケティング業界の上層部が参加者の多くを占めていて、今の方が若い現場の人も参加してくれているなと。ただ、参加者からはもっと質問が欲しいなと思っています。緊張する場でもないので、そこは積極的に質問して欲しいですし、ソーシャルメディア上で参加者自身がもっと発信していくと先ほどのブランドセーフティやアドフラウドの問題も議論がますますオープンになるのではないでしょうか。

※1 ブランドセーフティ ブランド毀損リスクのあるサイトに自社広告が掲載されていないか
※2 アドフラウド 不正なプログラムなどを用いた広告の掲出カウントの詐欺行為
※3 ビューアビリティ 広告が実際に見られているかどうか

(聞き手:事務局 堀)


<プロフィール>
味澤 将宏
Twitter Japan株式会社
上級執行役員 広告事業本部長 兼 日本・東アジア事業開発本部長
2012年4月、Twitter Japanにセールスディレクターとして入社。広告ビジネスを統括。2015年4月より日本・東アジア地域事業開発担当本部長。2016年11月より広告事業担当本部長と日本・東アジア地域事業開発担当本部長を兼任。Twitter Japanに入社以前は、マイクロソフトのPC及びモバイルディスプレイ広告ビジネスを統括。マイクロソフト自社オンラインメディアでの広告事業及び、パートナー媒体社とのアドネットワーク事業のセールス、サービス・オペレーション及び広告プロダクト開発を担当。2000年から2008年まではオグルヴィ・アンド・メイザージャパン㈱にてビジネス・ディレクター、グループ・アカウント・ディレクターとして国内外企業のブランディング、マーケティング・コミュニケーションに関わる。

ad:tech tokyo 2018の詳細はこちらから

イベント概要
開催時期: 2018年10月4日(木)、5日(金)
開催場所: 東京国際フォーラム  東京都千代田区丸の内3丁目5−1
公式サイト:http://www.adtech-tokyo.com/ja/

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