“デジタル”の全体像つかめてる?押さえておきたい4つの側面
花王 鈴木 愛子 氏

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2018-05-29 BY うえの みづき

ad:tech tokyo2018のアドバイザリーボードメンバーは総勢35名。業界のリーダーであるメンバーのみなさんからのデジタル広告、マーケティング業界への問題提起を事務局が連載形式でインタビューします(特集一覧はこちら)。

今回は花王株式会社の鈴木愛子氏が登場。マーケティング開発部門デジタルマーケティング部部長として、社内のデジタルマーケティングをする鈴木氏に、デジタルの全体像を理解するために必要な考え方を伺いました。なんとなく理解しているつもりでも、いざ最新情報に触れると急に自信がなくなってしまったり、社内のデジタル理解を深めたい方必読です。

—デジタル広告を取り入れることが当たり前になって久しいですが、まだまだ広告から先、事業のデジタル化やデータ活用については「よくわからない」という声がよく聞かれます。鈴木さんはデジタルマーケティング部長として社内の方と接する中で、そのような疑問が出た場合にはどう答えていらっしゃいますか。

「デジタル」には大きく分けて「メディア」「デバイス」「テクノロジー」「データ」の4つの側面があり、その説明を行うようにしています。まず「メディア」ですが、広告やオンラインストア、スマートフォンのアプリや、SNSの公式アカウントなど、「使ってる」「運用している」とイメージしやすいものが多いですよね。でも、実はテレビのCMやサイーネージも素材としてはデジタルです。新聞や雑誌もデジタル入稿ですし、オンラインでも読むことができますので広い意味ではデジタルですよね。

—確かに、そう説明されると今接している「デジタル」がさらに先の「デジタル」の領域が繋がっていると理解できます。

「デジタル」とキーワードを言われてもモヤっとしてしまう部分を、身近なところから噛み砕いて説明していきます。「デバイス」「テクノロジー」の側面も理解の順番は同じです。デバイスであればPCやスマートフォンは生活者としても活用しているからピンとくる。そこから先、体に装着するスマートウォッチ、スマートホームもデバイスとして捉える事ができるよね、と順に考えていきます。テクノロジーはメディアやデバイスと関連して進化していくものなので、目まぐるしくてついていけないと敬遠されがちですが、これもやはり「Webコンテンツを見せる仕組み今すでに導入されていますね」と具体的事例をあげると、みんなホッとします。

—「メディア」「デバイス」「テクノロジー」はどれも比較的事例が目に見えやすく、ピンときやすいかもしれませんが、「データ」はどうでしょうか。テクノロジー以上にイメージがおぼろげです。

では、朝目覚めてから夜眠りにつくまでの1日の生活を振り返ってみてください。まず、枕元にはスマホを置いていますよね。スマホでは位置情報が取得されているし、人によってはヘルスケアアプリを入れて起床時の体温を記録しています。「今日の天気は?」と調べたり、SNSの閲覧データも当然取得されています。スマホとともに移動すれば位置情報と移動スピードで電車移動なのか徒歩なのかも、通勤ルートも分かりますよね。会社に行くまでのごく普通の朝の行動だけですでにこのデータ量です。どれもご自身の生活で行なっていることばかりですよね。

—改めて振り返ると自分の行動がこれだけ膨大なデータになるとは驚きです。

これから先、テレビの視聴率・視聴質とスマホやPCからの閲覧データと繋がっていけば、「ワイドショーで芸能人のニュースを観た後に、そのタレントの評判をSNSで検索した」という履歴も全部わかりますよ。

—理解ができれば活用はスムーズに行くものでしょうか。

活用はまたさらに先の話ですね。私たちの企業の場合は様々なブランドがあり課題も個別に違うので、まずは基本を理解してもらっています。デジタルマーケティングと呼ばれますが、マーケティングをもっと精緻化してスピードアップさせて行くためのデジタル活用。顧客を理解し、顧客体験を深めるためにあるんですよ、と。なので、「まずお客さんを見ようよ」と声をかけます。お客さんのことを精緻に理解できるようになってきていますし、パーソナライズされた提案が非常に重要になっていくと思います。提案って、顧客の期待以上を提供して、「こうきたか!」と思わせてこそ満足度が上がりますよね。

—では、鈴木さんご自身としてやってみたいと思っていらっしゃる「デジタル」の挑戦があれば教えてください。

たとえば介護など人間だけでは大変な作業がある分野は、データやテクノロジーを生かしてやってみたいですね。化粧品などでパーソナライズされた提案を顧客にしたいというのもありますが、データやテクノロジーがどれだけ人間の大変さを救ってくれるのか気になります。人と直に接する分野であればあるほど、人の手を使ったほうが幸せな部分と、データや技術、機械でやったほうがみんなが幸せという事の仕分けが大切になるかと思います。
(聞き手:事務局 堀)

<プロフィール>
鈴木 愛子
花王株式会社
マーケティング開発部門 デジタルマーケティング部部長
コピーライターとして入社。商品やブランドのコンセプトワーク、コミュニケーション戦略立案から企画・制作までを担当。クリエイティブディレクターを務めた後、マーケティング分野に異動し、ブランドマネジャーを経験。その後デジタルコンテンツを含むコミュニケーション分野に戻る。昨年から現職。

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イベント概要
開催時期: 2018年10月4日(木)、5日(金)
開催場所: 東京国際フォーラム  東京都千代田区丸の内3丁目5−1
公式サイト:http://www.adtech-tokyo.com/ja/

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